2025年10月25日にAppleより、FairPlay Streaming Server SDKのアップデート情報がアナウンスされました。この記事では、アップデート内容について簡単に概要を解説いたします。
Contents
FairPlay Streaming Server SDKとは?
まず、FairPlay Streamingとは、映像などのコンテンツを不正コピーから保護するためのAppleのDRM技術となります。
DRMの簡単な流れを説明しておきますと、コンテンツをDRM暗号化し、視聴者が再生する際に「ライセンス」と呼ばれるものをリクエストし、コンテンツ配信サービスが復号鍵を含むライセンスを返してあげて初めて再生することができます。この個所についての もう少し詳しい解説は、こちらの記事を参照ください。
そして先述の「ライセンスを返してあげ」るサービスは、一般的に「ライセンス発行サービス」などと呼称され、それがAppleの文脈では「FairPlay Streaming Server」となります。
最後の「SDK」というのは、弊社のようなDRMプロバイダーが、「FairPlay Streaming Server」を実装するための仕様の詳細やツールのようなものです。
アップデートの内容
今回の「FairPlay Streaming Server SDK 26」(以下、単にSDK 26)の内容について、簡単にまとめておきます。
最大の暗号鍵保護レベル
暗号鍵の保護レベルを最大レベルにすることができます。
SPC v3
「SPC」というのは簡単に説明しますと、「ライセンス発行リクエストの内容」ということとなります。今回、新たにバージョン3が登場し、過去のバージョンと比べて改ざん防止機能が強化されています。「FairPlay Streaming証明書」の鍵長を2048bitにする必要があります。
ライセンスを発行せずに再生デバイス情報を取得
これまでは、ライセンス発行処理をする中でしか、再生デバイス情報を取得できませんでしたが、ライセンス発行をせずとも再生デバイス情報のみを取得することができるようになりました。
後方互換性のサポート
SDK 26の前は、バージョン4.4.5とバージョン5.xがありますが、引き続きSDK 26でも過去のバージョンをサポートします。その代わり、SDKの旧バージョンの技術的なサポートは2026年9月までとなります。
SDK 26に対応するために何をしなければならないか?
アップデート内容に入る前に、何をしなければならないか簡単に確認しておきます。まず、今回のアップデートに関係がある方々は、以下となります。
- コンテンツをDRMで配信しているサービス提供者
- サービスの提供をしている運営者
- サービス向けのサーバー開発者
- サービス向けのAppleアプリ(iOSなど)を開発している開発者
- 「FairPlay Streaming Server」を提供しているDRMプロバイダー、または、自前で運用している開発者
上記以外の方にとっては、今回の内容は気にする必要はございません。
今回のアップデートにより、主に修正が必要なのは「FairPlay Streaming Server」(ライセンス発行サービス)の方となります。上記の「2.」に該当する方々は、Appleの公式ドキュメントを参照し、実装を進める必要がございます。
上記「1.」に該当する方々は、FairPlay Streaming Server SDK 26に対応したライセンス発行サービスを使用し、正常に再生できるかなどのテストを実施する必要がございます。また、前述した「FairPlay Streaming証明書」の2048bit版を取得する必要がございます。
導入が簡単で信頼性の高いマルチDRMサービス

DRMが初めての方でも動画配信が初めての方でもお気軽にお問い合わせください。